幌加内町朱鞠内でゼミ合宿!【齋藤専門ゼミナール】
Musashi Letter幌加内町朱鞠内でゼミ合宿!【齋藤専門ゼミナール】
2023.9.29
2023年8月5日から2泊3日で、齋藤専門ゼミナールは、幌加内町朱鞠内のふれあいの家「まどか」で、ゼミ合宿を実施しました。
齋藤専門ゼミナールでは、「五感を用いて現代社会を探る」をテーマに、今年度は「地域課題の解決」を目指した横断的・実践的なPBL事業の一環としてマイクロツーリズム(注1) の提案と可能性に関する調査研究を学生とともに進めており、「札幌などを拠点とした2泊3日のマイクロツーリズム・プラン」の作成に取り組んでいます。
その一環として、魅力的な観光プランに必要なものは何か、観光において「不便益(注2)」は有用か、観光プランにアクティビティを盛り込むことの重要性は何か、などについて体験的に学ぶとともに、観光プランの作成に向けてのヒントとアイディアを得ることを目的に、ゼミ合宿を行いました。
4月に朱鞠内湖で熊の出没と被害があり、実施そのものが危ぶまれたゼミ合宿でしたが、自動撮影カメラの設置による監視体制の強化、電気柵の設置などの安全強化策などにより、無事実施にこぎ着けることができました。
ところが、当日は、朱鞠内湖周辺に大雨洪水警報が出るほどの悪天候。しかし、熊被害により屋内での体験型アクティビティを中心としたプログラムに内容を変更していたことが功を奏し、悪天候ながらも充実した2日間を送ることができました。
ゼミ合宿では、うどん作り体験、政和アートFes2023への参加、My箸の製作体験、ソフトクリーム作り、羊毛クラフト、ピザ作り体験など、貴重な体験とたくさんの思い出ができ、とても充実した2日間になりました。
今回のゼミ合宿を通して、滞在型観光に不可欠な体験要素の必要性を体験的に学ぶことででき、北海道の新たな魅力を再発見することができ、また、各自の観光プランの立案に向けてのアイディアを得ながら、各自の卒業研究のテーマとなる課題の発見にもつながりました。
(注1)遠方や海外への旅行に対し、3密を避けながら地元の方が近場で過ごす旅のスタイル。自宅から1〜2時間程の距離で、安心、安全に過ごしながら地域の魅力を深く知るきっかけになり、地域経済にも貢献します。保養目的で旅館やホテルに行き、温泉や自然散策、料理を楽しみ、活力を取り戻す滞在旅行のこと
(注2)「不便だからこそ良いことがある」ということで、そうしたこと・モノなどを指す言葉。
【学生の感想】
一緒に協力してなにかを成し遂げることで、団結力が強まり、仲良くなれることが分かりました。みんなでご飯を作ったり食べたり、一緒にお風呂に入ったりして、一緒にいる時間が長ければ長いほど、仲良くなれることがわかりました。
旅行をするときは、有名な観光地に行くので、知らない所にわざわざ行くのは、初めてでした。朱鞠内に着くまでに電車やバスで時間をかけて行くことに最初は、少し抵抗を感じていましたが、電車やバスを使い、行くまでの道のりで朱鞠内はどんな所なのかを知ることができました。また着いた時に達成感を味わえたり、移動中は普段話さないゼミ生と話せたりしたので、とても楽しかったです。宿泊先もエレベーターなどが無いと、移動が大変だったり外の街灯が無くて周りが見えづらかったりと不便な事があったのですが、それは逆にいい事だと思いました。階段が多くて移動するのが大変でしたが、小中学校の頃を思い出してワクワクしたり、外の街灯がないのは特別感がでて良かったりと、不便だけどよかった事の方が多くてたまにはこういうのもいいかもなと思いました。
ゼミ合宿を通して、実際に自分で体験することがとても楽しく、新しい発見がありました。1番最初に体験したうどん作りでは、実際に体験することで、うまくこねることの難しさや生地の変化、切るときのコツなどを吸収することができました。また、箸作りや羊毛クラフトでは、削りやすい木の向きや、針で刺すだけで羊毛が固まる理由など、1人では疑問にも思わないことまで詳しく教えていただき、面白かったです。急遽行くことになった政和アートFes2023では、鉄でできた作品が印象的でした。鉄を地道に叩いてあんなにも大きな作品ができるのは驚きです。木の玉を転がす作品でで遊んだりして楽しめました。全体を通して、実際に体験することが楽しかったです。ただ景色を見たり提供されたものを楽しむだけでなく、体験型プランがお客さんにとって印象強く、記憶に残ることがわかりました。
鉄やガラスを使った作品がたくさん置いてあった政和アートFes2023がとても印象的でした。使わなくなった小学校があんな風に利用されていることがまずすごいと思ったし、見渡す限りの作品がどれも美しかったです。なによりも作品を作っていた方がとても嬉しそうに作品の説明をしてくださっていて、みんなに喜んでもらうことやアートが大好きだということがわかりました。また、どんな作品に心が惹かれるかが人によってほんとうに様々で面白かったです。感性の違いを改めて感じました。
【齋藤貴之】
北海道武蔵女子短期大学准教授、専門分野は「民俗学」「文化人類学」。
武蔵では「社会学」や「人類と文化」、「アジアの歴史」などの科目を担当している。
【専門ゼミナール】
齋藤専門ゼミナールのテーマは「五感を用いて現代社会を探る」。今年度のゼミ生は16名。
札幌市を主なフィールドとして、フィールドワークの基礎を学びつつ、地域における歴史と文化、産業のあり方を理解し、それらを活かした観光、まちづくり、ビジネスについて考え、提案している。
今年度は「札幌などを拠点とした2泊3日のマイクロツーリズム・プラン」の作成に取り組んでいる。